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粉瘤におけるくりぬき法(皮膚腫瘍治療の専門医について)

前回に、粉瘤治療をくりぬき法で行っているかどうかを、電話やメールで問い合わせてこられる患者さんが多くおられるということで、くりぬき法について書いたのですが、粉瘤摘出をくりぬき法で行っていることを、大々的に記載されておられる先生のHPを見ていて、非常に違和感を感じていて、いったいこれは何だろうなと、ずっと考えていました。

 

私は、昭和61年に大阪大学の皮膚科に入局してから、約32年間、仕事の全部の時間ではありませんが、長く皮膚腫瘍治療に携わってきました。

もちろん、粉瘤の治療以外も、地域の基幹病院にいたこともあり、近在の先生方が紹介してくださる皮膚の悪性腫瘍や、クリニックレベルでは治療できない皮膚腫瘍など、多く経験させていただきました。

 

当たり前のことですが、紹介されてくる皮膚腫瘍は粉瘤だけとは限らず、多くの種類の皮膚腫瘍を自分がベストと思われるあらゆる方法で治療してきました。粉瘤のくりぬき法も、その中で選択する治療法の一つと言うだけのことでしかありません。そのような経験の上で、皮膚腫瘍外科指導専門医という、専門医資格を取得しています。

 

ですから、本来、皮膚腫瘍治療に携わっている医師のするべき事は、1種類の方法で特定の皮膚腫瘍を治療することを宣伝することではなく、多くの経験を積んで、いろいろな皮膚腫瘍を治療できる専門医になることだと思います。

 

私が感じる違和感は、例えてみると、ニュアンスが少し違うのかもしれませんが、私はサンマを焼くことしかできないけど京都の一流料亭の料理長です、と、言っているような感じでしょうか・・・

やはり、一流料亭の料理長は、和食のあらゆる事に通じておいてほしいですよね。


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